日焼け止めを正しく使おう
日焼け止めを選ぶとき、なんとなく「SPF」や「PA」の数値が高いものを選んでいませんか?日焼け止めは毎日使うものだからこそ正しく選ぶことが大切です。今回は日焼け止めの基礎知識と選び方をご紹介します。
日焼けするとどんな悪影響があるの?
日焼けとは
「日焼け」という言葉は、紫外線によって肌が赤くなる「サンバーン」と、その後黒くなる「サンタン」を含めた言葉です。ひどい場合は皮膚が腫れて水ぶくれができることもあります。日焼けは「紫外線」によって引き起こされるので、日焼け止めを塗って肌を紫外線から守ることが大切です。
紫外線とは
紫外線は太陽光線の一つで、波長によってUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分けられます。UV-Cは地表には届かないため、日焼けに関係してくる紫外線はUV-AとUV-Bの2つです。
UV-Aの影響
UV-Aは日差しを浴びた後、「肌を黒くする」紫外線です。メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)を刺激し、メラニンが生成されて色素沈着が起こります。メラニン色素はシミ・そばかすの元となり、皮膚の光老化の原因になります。また、UV-Aの30~50%が表皮を通過して真皮に到達し、真皮にある弾性繊維を破壊するので、肌のハリに影響を及ぼし、シワやたるみなどにつながってしまいます。
UV-Bの影響
もう一つのUV-Bは「肌が赤く炎症を起こす」紫外線です。UV-Bを浴びた直後に皮膚の炎症が起こり、赤くなってヒリヒリ痛みます。そして1週間ほどで皮がむけます。これは死んだ皮膚が薄い膜上になって剥がれ落ちるからです。また、水ぶくれができることもあります。
紫外線の予防法
・日傘を使用する。
・帽子をかぶる。
・日陰を選んで歩く。
・紫外線の強い時間帯(10~16時)を避けて外出する。
・日焼け止めを上手に使う。
直射日光を遮ることが効果的ですが、直射日光が当たっていなくても紫外線は浴びています。地面や建物から反射した紫外線や空気中に散乱した紫外線を防ぐために、日焼け止めを使用することが大切です。
日焼け止めの選び方
SPFとは
SPFとは、「Sun Protection Factor」の略で、UV-Bに対する防止効果を表す指標です。数字が大きくなるほど防止効果が高くなります。日焼け止めを塗った場合に、塗らない場合と比べて何倍の紫外線を当てると翌日に肌が赤くなるか、を表しています。例えば、「SPF50」というのは、1という量の紫外線を浴びると日焼けをする人が、50という量の紫外線を浴びるまで日焼けを起こさない、という防御力の指数です。SPFが50より高いものはSPF50+と表示されます。
PAとは
PAとは、「Protection Grade of UVA」の略で、UV-Aに対する防止効果を表す指標です。PAは「+」の多さがUV-Aに対する効果の高さを示しており、「PA+」から「PA++++」の4段階で表示されます。
日焼け止めは使い分けよう!
「SPFもPAも数値が高いものを選んでおけば安心でしょ?」と思うかもしれませんが、そうとも言えません。紫外線の強さや量は、炎天下の海辺と、日常生活ででかける屋外とでは異なります。SPF、PAともに数値が高いほど肌への刺激も強くなります。特に乾燥肌や敏感肌の方が、数値だけで日焼け止めを選ぶと肌に余計な負担がかかり、肌トラブルを引き起こすモトになります。日焼け止め選びで大切なのは「どのくらいの時間、紫外線を浴びることになるか」ということ。「TPO」を考えて使い分けましょう。
日焼け止めは一年中使うのが基本
紫外線は晴れの日だけでなく、雨の日もくもりの日も届いています。だからこそ「日焼け止めは一年中使う」のが基本です。美肌のために、日焼け止めを塗ることを習慣にしていきましょう。
【シーン別日焼け止めの選び方】
●散歩やお買い物など日常生活・・・SPF10~20、PA++
●屋外での軽いスポーツやレジャー・・・SPF30以上、PA+++
●マリンスポーツ、炎天下でのお出かけ・・・SPF 50以上、PA++++
紫外線防止剤について
日焼け止めに使われる紫外線防止剤は2種類に分類されます。
●紫外線吸収剤:紫外線を吸収し、紫外線エネルギーを熱エネルギーなどに変えて放出することにより肌への影響を防ぎます。
●紫外線散乱剤:肌表面で紫外線を乱反射させて、肌への紫外線の影響を防ぎます。
日焼け止めには吸収剤・散乱剤の両方を組み合わせている商品もあります。紫外線吸収剤が配合されていないものはより肌への負担が少ないため、「ノンケミカル」や「吸収剤不使用」と表示されるていることがあります。
日焼け止めは正しく使おう!
重ね塗りが効果的
日焼け止めを顔に塗る場合は、500円玉大くらいの量を塗りましょう。ムラのないよう重ね塗りをするとより効果的です。
塗り直しはこまめに
日焼け止めは時間が経つと効果が薄くなります。「朝たっぷり塗ったから大丈夫!」「今日は室内で過ごすから平気!」と油断するのはキケンです。日焼け止めをたっぷり塗っても汗で落ちてしまいますし、室内でも窓から差し込む日差しで日焼けをしてしまうこともあります。2~3時間を目安に塗り直しをしましょう。化粧をしていて塗り直しが難しい場合は、紫外線防止効果のあるファンデーションで化粧直しをしましょう。化粧の上から使えるスプレータイプの日焼け止めもあります。
使い分けも肝心
日焼け止めは使い分けも肝心です。お出かけ前は肌に密着する「塗るタイプ」、外出先では塗り直しがしやすい「スプレータイプ」、マリンスポーツや汗をかく激しい運動の時には「ウォータープルーフ」というふうに、その日の活動やライフスタイルなどに合わせて選ぶようにしましょう。
ちなみに、朝に日焼け止めを塗るのは外出の15~20分前が良いです。塗ってから少し時間を置いてから出かけた方が肌への定着率が高まります。
飲む日焼け止めにも注目
「飲む日焼け止め」とは、その名の通り飲むことで紫外線対策につながるとされるサプリメントのことで、近年注目を集めています。従来の塗るタイプの日焼け止めは塗り直しに手間がかかるだけでなく、特有の「塗った感じ」が苦手という方も多いです。その点、「飲むだけでUVケアができるなら便利!」という声が聞かれます。
紫外線を浴びる前に、飲む日焼け止めを飲んでおくことで、活性酸素と戦う力を高めることができ、細胞をダメージから守ることができます。しかし、飲む日焼け止めだけでは、十分な紫外線対策にはなりません。飲む日焼け止めを服用する際は、必ず塗る日焼け止めを使いましょう。
飲む日焼け止めには抗酸化作用やターンオーバー促進の効果を持つ成分が含まれるものがあります。そのため、飲む日焼け止めは塗る日焼け止めのサポート役として日常に取り入れることで、ブライトニング効果に繋がるといえるでしょう。
まとめ
今回は日焼け止めの選び方や使い方について紹介しました。シーンに合わせて日焼け止めを使い分けること、こまめに塗り直しを行うことを習慣にして、美肌を手に入れましょう!