化粧水の選び方と効果的な使い方

化粧水と一言で言ってもたくさんの種類があります。どれが自分に合っているかわからない、何を基準に選べばいいかわからない、と悩む方も多いのではないでしょうか。自己流のスキンケアで化粧水をなんとなく選んでなんとなく使ってしまうと、十分な効果を引き出せないまま肌の状態を悪化させる原因にもなりかねません。今回は化粧水の種類の選び方、化粧水の効果的な使い方について紹介します。

 

化粧水とは

化粧水とは肌を保湿したり、整えたり、滑らかにする機能を持つ液体状の化粧品です。洗顔の後に使用し、化粧水美容液乳液・クリームといった順番で使うのが一般的です。ローションやトナーと呼ばれることもあります。

 

化粧水の役割と効果

化粧水は、洗顔後に使うことで肌を整え、次のスキンケア(美容液やクリーム)成分の吸収をサポートする役割があります。化粧水の主な効果は以下の通りです。

保湿:洗顔後に不足しがちな水分を補い、乾燥から肌を守ります。

角質ケア:柔らかく、なめらかな肌に整え、キメを整えます。

バリア機能のサポート:肌のバリア機能をサポートし、外部刺激から肌を守ります。

化粧水は肌の土台を整え、後に使うスキンケア製品の効果を引き出すための基礎作りと考えましょう。

 

化粧水の種類

化粧水の種類は、配合される美容成分の種類で決まります。そして、配合されている成分によって化粧水の役割が変わってきます。自分の目的や肌の状態に合った化粧水を選ぶために、どんな種類の化粧水があるのかを知りましょう。

 

1.柔軟化粧水

柔軟化粧水は化粧水の中で最もポピュラーです。パッケージなどに単に「化粧水」と記載されているもののほとんどが柔軟化粧水です。その名の通り角質を柔らかくするとともに、水分を補給したり、肌を保湿して、キメを整えることが主な目的です。ですので、基本的には肌の乾燥対策を目的に作られています。

成分は水が70%以上で、保湿成分が含まれています。エイジングケアの成分が配合されているものもあり、エイジングケア化粧水、エイジングケアローションと呼ばれます。

化粧水を塗っていれば保湿できる、と考える方も多いですが、保湿力に着目すると、美容液や乳液、クリームの方が勝ります。「保湿化粧水」と呼ばれる化粧水もありますが、化粧水だけでは保湿力は不十分だということを知っておきましょう。

 

2.拭き取り化粧水

拭き取り化粧水は、クレンジングで落としきれていないメイクや、洗顔で落としきれなかった汚れや皮脂を拭き取ることを目的にしたものです。つまり、取り除くことが主な目的で、コットンに染み込ませて使用します。

適切に使えば、不要な角質を取り除いて肌のターンオーバーを改善することができるので、キメを整えたり、肌を明るくするサポートをしてくれます。しかし、回数が多すぎたり、コットンで肌を強くこすりすぎたりすると、肌を痛めて乾燥肌の原因になったり、バリア機能が低下するリスクがあります。

エイジングケア世代の方が使う場合は注意が必要です。特に、敏感肌、乾燥性敏感肌、インナードライ肌などの方には、あまりおすすめできません。

 

3.収れん化粧水

収れん化粧水は、「引き締め化粧水」「トーニングローション」「トーナー」「タイトニングローション」「アストリンゼント(ローション)」などとも呼ばれます。過剰な皮脂を取り除き、毛穴を引き締めることが目的です。皮脂の分泌を抑えるために、酸化亜鉛クエン酸、タンニン酸などが含まれています。皮脂分泌の多い夏の時期や、皮脂分泌の多い脂性肌の方向きの化粧水で、小鼻あたりの皮脂がたまりやすい箇所やメイク直しの際に使われます。収れん化粧水はアルコール濃度が高いものが多く、使用後は清涼感が感じられるものが多いです。お肌が弱い方や弱っている状態の時、乾燥肌、敏感肌、インナードライ肌などの場合は、避けたほうが無難です。

 

4.美白化粧水

美白化粧水は、いわゆる「美白成分」が配合されたものです。また「美白」を名乗るには、厚生労働省が認めた美白有効成分が配合されていて、医薬部外品(薬用化粧品)の承認を受ける必要があります。ここで気をつけたいのは、美白とは、「メラニンの生成を抑え、しみそばかすを防ぐ」または「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」という意味です。お肌を元の肌色より白くすることや、できたシミ(老人性色素斑)をなくすという意味ではありません。

美白化粧水に含まれる成分としては、ビタミンC誘導体、アルブチン、トラネキサム酸、カモミラETプラセンタエキス、ハイドロキノン、ナイアシンアミドなどが、代表的なものです。なお、多くの美白化粧水には、美白成分だけでなく保湿成分も含まれています。

 

5.ニキビ用化粧水

ニキビは、医学的には尋常性挫瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれるので、挫瘡用化粧水とも呼ばれます。サリチル酸やグリチルリチン酸2カリウムなどの殺菌作用、抗炎症作用のある成分が配合されています。サリチル酸は、お肌への刺激が強く、乾燥をもたらすリスクがあるので、大人ニキビで使用する場合は注意が必要です。しかし、長期的に使うとお肌が薄くなる、皮膚常在菌が乱れる、ターンオーバーが過度に早くなるなどの問題もあるので、使い方には注意が必要です。敏感肌やお肌が薄い方は使わないほうが無難です。

 

保湿力の高い化粧水の主な成分

保湿力の高い化粧水に含まれる主な成分は、「ヒアルロン酸」・「セラミド」・「グリセリン」・「コラーゲン」です。

・ヒアルロン酸
保湿成分の一つです。高い保水力が特徴で肌を柔らかく、なめらかにしてくれる効果が期待できます。乾燥を防ぐ役割を持つことから、化粧水をはじめ、乳液などのスキンケア用品にも配合されることの多い成分です。

・セラミド
セラミド(細胞間脂質)は人の肌の角層にある成分で、水分をつなぎとめる働きをします。肌のバリア機能を働かせるための成分です。セラミドで満たされている肌はバリア機能がきちんと働き、ふっくら潤いのある状態になります。

・グリセリン
吸湿性と保湿力に優れたグリセリンは、肌の角質層の潤いをキープして肌をしっとりさせる効果が期待できます。グリセリンと相性のよいヒアルロン酸も一緒に配合されている化粧水は、高い保湿効果が期待できます。

・コラーゲン
肌の内部に存在するコラーゲンは、年齢を重ねるとともに減少します。コラーゲンが減少した肌は乾燥してカサカサになり、潤いやハリがなくなります。コラーゲンが含まれた化粧水が肌の表面や角質層に行きわたると、保湿の効果が発揮されて潤いやハリをもたらす効果が期待できます。

 

 

肌のタイプに合う化粧水の種類

肌質は、大きく4つに分かれますので、それぞれの肌質別にどんな種類を使うべきかをご紹介します。

 

1.普通肌

普通肌は、水分量と皮脂量が十分な理想的な肌質です。基本的には、どの種類の化粧水を使っても問題ありません。一般的なものを1つ持ち、あとはその時々のお肌の状態で考えましょう。30歳頃からは、エイジングケア化粧水を1つ使うことがオススメです。刺激を感じないなら、さまざまなエイジングケア効果のあるビタミンC誘導体化粧水は特にオススメです。

 

2.乾燥肌

乾燥肌は、水分量や皮脂量とも不足している状態です。拭き取り化粧水や収れん化粧水は避けたほうが無難です。乾燥肌が原因である敏感肌やインナードライ肌の方も同様です。肌が乾燥しているときは肌のバリア機能も低下しているため、できるだけ刺激の少ない敏感肌向けの化粧水がオススメです。保湿に優れた成分が含まれていても、アルコールなど肌を刺激しやすい成分が配合されている化粧水は避けた方が良いでしょう。

また、保湿、特に「水分の保持」には、化粧水よりもセラミド、なかでもヒト型セラミドを配合した美容液や保湿クリームを使いましょう。乾燥肌の改善には、セラミド美容液セラミドクリームがオススメです。また、自分自身が刺激を感じる成分が配合されていないエイジングケア化粧品もオススメです。

 

3.脂性肌

脂性肌では、基本的にどの種類の化粧水を使っても問題ありません。皮脂をコントロールする点では、ビタミンC誘導体化粧水がオススメです。必要に応じて、収れん化粧水、拭き取り化粧水、なども上手に使いましょう。ただし、エイジングケア世代の方では、脂性肌のようでもバリア機能の低下で皮脂過剰な場合があります。そんな場合は、保湿が大切なのでアコールフリーの化粧水を使いましょう。

 

4.乾燥性脂性肌(インナードライ肌)

インナードライ肌の本質は、乾燥肌です。なので、化粧水の選び方は、脂性肌ではなく、乾燥肌と同じです。美容液や保湿クリームでのスキンケアやエイジングケアを中心に考えましょう。脂性肌と間違って、拭き取り化粧水や収れん化粧水は使わないようにしましょう。

 

5.混合肌

混合肌は、顔のパーツによってカサカサとオイリーな状態があるお肌です。たとえば、TゾーンはオイリーでUゾーンOゾーンは乾燥肌といった具合です。なので、化粧水を選ぶのが難しい肌質です。柔軟化粧水またはエイジングケア化粧水以外は、使わないほうが無難です。スキンケアは、化粧水ではなく美容液や保湿クリームを中心に考えましょう。

 

化粧水を選ぶときのポイント

テクスチャーや使い心地で選ぶ

化粧水は製品により肌につけたときのテクスチャー(質感、つけ心地)に違いがあります。

「とろっと」したテクスチャーの化粧水

とろみのある質感が特徴の化粧水です。とろっとタイプの化粧水は増粘剤を入れて質感を変えています。使用感の違いはありますが、さらっとタイプの化粧水と主な成分や保湿力に大きな違いはありません。粘度が高いため肌にフィットしやすく、もちもちとした感触が続きます。

「さらっと」したテクスチャーの化粧水

みずみずしく、軽い使い心地が特徴の化粧水です。化粧水を塗った後も軽くてさらさらしたつけ心地が好きな方は、さらっとしたテクスチャーの化粧水がおすすめです。

 

規定量を惜しみなく使える価格の化粧水を選ぶ

化粧水を使っても肌が乾燥してしまう要因の一つが、「化粧水の使用量が守られていない」ことです。乾燥肌のケアのために高価な化粧水を購入しても、使用量が少なすぎれば塗りムラができる、摩擦により肌を傷つけてしまいます。化粧水に含まれる有効成分を十分に肌へ行きわたらすには、規定量を惜しみなく使える価格の化粧水を選び、適切な方法で使い続けることが大切です。

 

年齢に沿った化粧水を選ぶ

これまで使っていた化粧水が突然合わなくなって「肌の調子が悪い気がする」、「乾燥肌が進んでいる感じがする」ときは、化粧水の見直しが必要な時期かもしれません。肌の状態は季節や生活習慣などが影響するだけでなく、年齢を重ねるごとに徐々に変化していきます。ここでは、20代・30代・40代と年代別に化粧水選びのポイントを紹介します。

 

20

他の年代に比べて肌の水分量は多いですが、スキンケアを怠ると年齢を重ねるにつれ肌の乾燥が進み、口元や目元がカサカサになり小じわが出てくることがあります。年齢を重ねても美しい肌をキープするためには、20代から高保湿の化粧水を使って保湿ケアを行いましょう。

 

30

20代後半から徐々に肌の水分量は減少し乾燥してきます。水分が足りていない状態の肌は、余分な皮脂を分泌して顔全体がべたつきやすくなります。テカリが目立つため肌が潤っているように感じますが、目元や口元がカサカサしてつっぱりを感じる状態は、肌の内側が乾燥してしまっているインナードライ肌の可能性が高いです。30代は知らないうちにインナードライ肌になっている方が多いので、肌をしっとりさせる高保湿の化粧水を使って肌に潤いとハリを与えることが大切です。

 

40

ホルモンバランスの変化により肌の代謝が低下します。角質層の水分だけでなく、皮脂の量も乾燥し肌がカサカサになりやすいです。乾燥した肌はバリア機能が低下し、外的刺激を受けやすくなり炎症やシワなどが出てきやすくなります。高い保湿力を補える化粧水を選ぶことはもちろん、洗顔後やお風呂上がりはできるだけ早く化粧水などの保湿ケアを行い、乾燥肌を予防することが大切です。

 

 

化粧水の使い方

洗顔をしたら速やかに化粧水をつける

洗顔をしたら肌に刺激の少ないタオルで押さえるように水分をやさしく拭き取り、できるだけ速やかに化粧水をつけましょう。乾燥肌の方は洗顔したあとに短時間で肌が乾燥してつっぱりを感じるため、お風呂上がりや洗顔をしたあとは角質が柔らかいうちに化粧水を使って肌に水分を与えてください。

 

orコットンを使いやさしく肌になじませる

化粧水は、手 or コットンを使いやさしく肌になじませます。

 

手を使う場合

手のひらに規定量の化粧水をとり、化粧水を両手で少し温めてから肌におきます。力を入れすぎないように気をつけて手のひらで顔全体を包み込みます。顔の中心から外側に向かいながら顔全体に化粧水をなじませます。潤いが足りない場合は化粧水を追加して重ねづけをします。

 

コットンを使う場合

手を使う場合は化粧水が手肌にも吸収されてしまうため、気になる方はコットンを使い顔全体に化粧水をなじませましょう。

指にコットンを置き、 指の幅を目安にコットンに化粧水をのせます。面積が広い頬や額から軽い力でコットンを滑らせます。細かい部分にもコットンをタップして化粧水を押し込みます。潤いが足りない場合は少量ずつ化粧水をコットンにのせて重ねづけをします。

 

化粧水を使う際の注意点

1:強すぎるパッティングはかえって逆効果

コットンで化粧水をつけるときにパンパンと勢いよくパッティングをすると肌が刺激され、肌荒れや炎症を起こす恐れがあります。化粧水を肌に浸透させる目的であれば、手を使ったハンドプレスでなじませた方がより高い効果が期待できます。ハンドプレスを行うときは肌に刺激を与えないように、ゆっくりやさしくプレスするのがポイントです。

 

2:肌への摩擦に注意

コットンで化粧水をつけるときは「肌への摩擦」に注意が必要です。敏感肌の方や手に力が入りやすい方は、コットンよりも手を使って化粧水を塗った方が良いでしょう。コットンを使うときは肌にやさしくのせられるオーガニック素材のコットンや、肌触りのよい天然綿を使ったコットンの使用をおすすめします。

 

まとめ

今回は化粧水の種類と肌タイプ別の選び方、適切な使用方法について紹介しました。化粧水は毎日使用するものなので、肌に刺激を与えて逆効果になってしまわないよう、使い方にも注意しましょうね。